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Oct 12, 2009
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緑ハート国後島シリーズ・・最終回緑ハート

k-39.jpg

さて、今まで、国後島について長々と書いてきました。
長いようで短い滞在中を経て、国後島は私にとって非常に近い島になりました。
そして、私の中にひとつの課題が残りました。

一国民として「四島」にどう向き合ってゆくか。

今まで、いみじくも愛国心や正義感のみが先立った、
返還か否か、という部分だけにこだわっていたのですが、
現地での無垢な自然、人々、特に未来を担う子供達と触れ合い、
違う観点で、四島の問題を考え始めています。

そこに住む人々、そこの自然をどうやって守ってゆけるのだろう。

沖縄本島より大きな島であるにもかかわらず、
島には、大きな船が停泊できる港湾がありません。
そのため、開発に必要な建設機材や重機が投入できません。
もちろん、そのため必要なインフラ開発が遅れています。
まともな廃棄物処理所もありません。島はどんどん汚染される一方です。
満足な医療設備もなく、また高等教育機関もありません。
サハリン行きのプロペラ機は天候次第で1週間も遅れることもあり、
そのまま足止めを食うのも、皆もう慣れっこです。
よくまあ、戦後60年間、こんな生活に耐えてきたなぁ・・・と思います。

2006年、オイルマネーにより経済状況が好転したロシアは、
巨額な予算にて千島クリル開発計画を発表しました。
そして、こんな看板も島でちらほら目にします。

<サハリンとクリル諸島はロシアの国土だ!>
k-3.jpg

なんとも元気のよい、田舎じみたスローガンじゃないですか。
ある島の人は苦笑いして言いました。
「まあ、どこにだって、バカはいるってことですよ。」
気にするまでもない、とのことかもしれませんが、
向こうにだって、右の、しかも過激派がいることは明確です。

ロシア側による開発が進むと、北方領土の返還がますます難しくなるのではないか・・。
という意見があり、それは本当だと思います。
ただし、だからといって島民の生活が不便で苦しいままで良いのかというと、
そんな人の不幸を望むようなこと、人間として、隣人として考えるのもどうかと思います。
最近ロシア側が、「もう日本からの支援の必要はない」なんて言ってきて話題になりました。
それを受け、物資の提供や人道援助も止めてしまえという声もあります。
確かに、なぜ私達がロシア側にお伺いを立てながら援助するのか?
論理的にはまったく理不尽な話です。
しかし、そのわずかながらの物資や医療援助が、
今まで、どれだけの島民の助けになってきたことか?
あのムネオ騒動で注目を浴びたディーゼル発電所や友好の家も、
島民にとっては、見捨てられた生活のなかに灯された希望の光だったのです。
(それに関わる費用や、発注受注にかかわる問題はまた別の話ですが・・)
現地で、それを確認したものから言わせてもらえば、
政策としていくら無駄だと批判されようとも、
日本がやってきた人道支援は絶対に間違いではなかったと思います。
領土問題の施策というよりは、ひとつの国際協力として・・。
特に、怪我人や病人の受け入れにおいては、
実際、子供も含め、何人もの命が救われているのです。

「バカバカしい、ロシアが自国民を助けるべきだ。占領されているのに、なぜ我々が!?」
ごもっとも。それが普通でしょう。でもそんな常識も通用しない国を相手にしているのです。
島民が悪いわけじゃないんです。
彼らだって、ある意味被害者なのです。
何も知らずに、何も情報を与えられずに、ただやってきて、そこで生まれた人々。
あそこに住むより他に選択肢がない人だって沢山いるのです。
そしていくら政治的に問題のある地であっても、いくら不便で貧しくても、
彼らにとっては生まれ育った地。愛すべき故郷なのです。
彼らも、60年前あの地を追われた日本人と同じ気持ちを持っているのです。

<好きな言葉に「国後」と書いた生徒>
k-118.jpg


<故郷、「国後」の入れ墨を入れている人>
k-83.jpg

「私達は生まれ育った国後を愛しています。」
こういう島民の声を聞くと、日本の強硬派は忌々しく思うのでしょうか?
島を追われた人々の気持ちを考えてもみろ?!と怒り心頭かもしれません。
しかし、その怒りの矛先は、決して島民へ向けてはならないと思います。

モスクワの官僚達は、自分達は温かい部屋でウオッカでも飲みながら、
彼らを将棋の駒のように並べているだけです。
島民は駒でいえば歩兵です。
最低限の投資もせず、生かさず殺さず、何かあった時に楯にするだけ。
実際、千島クリル開発計画だって、先の経済危機に伴い
予算が劇的に削減されているそうです。
まずはここから削るあたりが、やはり・・という感じがします。

領土問題自体が、そういう認識なのかもしれません。
彼らにとってはやっかいな問題なんかじゃなく、
逆に日本との外交上、都合の良い切り札だと思っているのかもしれません。
絶対渡すつもりはないけど、
日本の力が必要な時だけ、妥協する振りをしてカードをちらつかせ、
日本をうまく操ろうとしているのかもしれません。
日本がいくら必死で純粋に問題に立ち向かおうとしていても、
逆に国内ですら意見もまとまっておらず、
国としての方向性を打ち出せていないということを見透かされ、
これからも、都合の良いように翻弄され続けるのかもしれません。


<国後島から対岸に見える知床半島>
k-69.jpg

国際政治上、安易な妥協なんて絶対あってはならないけれど、
ただ、やり方は変える必要があると、ずぶの素人ながら、感じました。
解決の糸口が見えないまま、確実に世代は変わってゆきます。
「返せ!」という憎しみ溢れたスローガンじゃ、
今の時代の国民を扇動できないことは明らかです。

こうすれば良い、ああすれば良いということは、言いません。
この問題については、長らく研究している人達、取り組んでいる人達がいるし、
色々な主張や理論にも根拠があるはずです。
彼らがなかなか思うように動けないのかということは、それなりに理由があり、
それは、我々のような素人には、簡単に分かるものでもないのでしょう。

だからまずは、もっと勉強しなればなりません。
そしてもっと多元的に考えなければなりません。

今回の経験は本当に勉強になりました。が、勉強は続けるつもりです。
これからも北方領土の問題について意識しながら、関与してゆけることと思います。
そして、もっと多くの一般の国民にも、四島に行く機会が開ければよいと思います。
百聞は一見にしかず・・・。
じゃないと、多くの人にとって、あそこは遠い島のまま終わってしまうことでしょう。






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最終更新日  Oct 13, 2009 08:06:01 PM
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