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テーマ:515の放浪(100)
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起き上がった軽ワンボックス車は、右側面がベコベコ状態だった。購入時は丸みを帯びた車体だったろうに、みごとに平らになっている。ドアは変形していて、開かないだろうな。
「おじいさん。こっちのドアは開けられないから、助手席側から乗り込むしかないね」 と親切に説明してあげたら 「ああ、だいじょうぶだ。だいじょぶだ」 と、冷たい外気に当たりながらも・・元気だ。 「この先も気をつけて行った方がいいよ。今度、左側に倒したら車から出れなくなっちゃうから」と、丁寧にアドバイスすると 「ああ。だいじょぶだ。この車は、後ろのドアが中から開けられっから・・外からしか開かねぇのもあるんだど。これは、だいじょぶだ。中から開くから・・」 もし、両側がベコベコになっても平気らしい。 当事者が志村けんのように「だいじょぶだぁ」と言うんだから・・大丈夫なんだろう。 車が倒れていた所に、ガラスの破片などないだろうなと雪面を見ていると、なにやら赤いシミのようなものが見える。 「血だ」と直感した。 「おじいさん。どこか怪我してない?」 と聞くと、おじいさんは腕をぐるぐるまわして 「体はなんともねぇぞ」と元気だ。 じゃあ、この雪を赤く染めてるものは何なんだ。 車の下敷きになったネコか、イタチか、冬眠中に起こされたヘビか・・ (つづく) 第16話全編 は[楽天グログ・・FREE PAGE]に掲載します
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最終更新日
2013.10.23 19:44:35
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