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みなさん、こんにちは。 本日の朝刊に、こんな広告が載っていました。広告主は、「ぽぽぽ、ぽ~ん」でお馴染みのACジャパンです。 (引用ここから) 【魔法使いの少年】 押しボタン式の信号が赤に変わり、 私はクルマを停めた。 「間が悪いな…」 その時 突然、魔法をかけられた。 横断歩道を渡り終えた男の子が、 こちらに向かって、 ていねいに頭を下げたのだ。 少年の「ありがとう」のおじぎは、 私を、対向車の人を、一瞬にして 笑顔に変えてしまった。 (引用ここまで) おっしゃりたいことはわかります。しかし、これは道路交通法の精神から言うと、根本的に間違っているんですね。 当ブログでは、何度となく指摘していますが、信号の無い横断歩道でさえ、歩行者が横断待ちをしていたら、クルマは停止して進路を譲らなければならないのです(道路交通法第38条・罰則は119条第2項「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」・違反点数2点)。 すなわち、押しボタン式信号が赤になって停まったことに対して「間が悪いな」などと思うのは、運転手のとんでもない心得違いなわけです。さらに、子どもがクルマに対してお礼をすることが美徳かのように書くことは、子どもに「クルマのほうが偉いんだ」という誤った意識を植え付けることにもなりかねません。 そもそも押しボタン式信号機は、横断歩道があるのに道交法38条を守るドライバーがほとんどおらず、横断が困難になるから住民が陳情し、設置されるケースが少なくありません。つまり、押しボタン式信号機で停まらされるのは、ドライバーの自業自得なわけで、みんなが38条を守っていれば、必要なかったことなんです。 というわけで、道路交通法の精神に則って件のコピーを書き換えるとすると、こうなります。 クルマを運転中、横断歩道で横断待ちをしている小学生に気付いた。 「道路交通法38条があるから、仕方ないな」 多少、面倒な気持ちになりながら、私はクルマを停めた。 その時 突然、魔法をかけられた。 横断歩道を渡り終えた男の子が、 こちらに向かって、 ていねいに頭を下げたのだ。 少年の「ありがとう」のおじぎは、 私を、対向車の人を、一瞬にして 笑顔に変えてしまった。 法律があるから、守るんじゃない。 喜ぶ人がいるから、やさしくなれるんだ。
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