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■商品名:人生最後のご馳走 [ 青山ゆみこ ] ■レビュアー:lazy-planet ※投稿時 ■レビュー内容 大阪の情報雑誌Meetsの副編集長からフリーライターとなり、さまざまな活動を続ける青山ゆみこさんの単著です。 大阪にある淀川キリスト病院は、終末期ケアを主に行うホスピスの「リクエスト食」に特化して取材をされた一連のインタビュをまとめています。 ”「リクエスト食」とは、週に1度、患者さんが食べたい献立を何でも病院側が用意するというこのホスピスだけの取組です。海鮮丼だって、おしるこだって、すき焼きだ… もっと詳しく見る ”「リクエスト食」とは、週に1度、患者さんが食べたい献立を何でも病院側が用意するというこのホスピスだけの取組です。海鮮丼だって、おしるこだって、すき焼きだって、患者さんがその時に食べたい料理をなんでもリクエストしてもらい、それに対して可能な限り希望に添うような食事を出しています。” 印象的なのは、ここの食事を提供された患者さんが、以前の入院先にくらべ、とても元気になっていること。 ごはんがおいしい、おいしいごはんが食べられるという喜びを再び味わうことができ、死を目前にさまざまなストレスと覚悟を持ちながら生きる状況でも、幸せを感じることができています。 ターミナルケア(終末期医療)は、安らかな死を迎えるためのケアととらえることもできますが、そうした死の準備ではなく、「最後まで生きる」ためのケアとしてとらえることもできます。 「最後まで生きる」ために人としての楽しみを享受し、そしてその人の生きてきた人生を表しているのが、この「リクエスト食」なのです。 このホスピスで、最期まで生を全うできる人たちをうらやましく思うと同時に、「その人が死ぬ前に何を食べたいか、ということがいかにその人の人生をよく表すものであるか」というところを見事に書き表しているところに感心せざるを得ません。 実際にそうしたケアを受けられるのはごく少数の方に限られるとは思いますが、終末期医療自体はどんどん広がってほしいです。 もし自分が死を迎えるそのときのあり方が選択できるなら、あまり無理な延命はしたくない、できる限り最後まで食事をとり、食事をとれなかったら自然と死ぬような老衰死が望ましいところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/06/02 05:23:39 PM
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