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テーマ:515の放浪(100)
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この軽自動車は、ゆるい下り坂で急ハンドルを切ったんだろうか、運転席側が下になって倒れていた。
道路を封鎖するように倒れている車に近づきながら、けが人が出たんだろうかと心配になった。車の後ろに元気なおじいさんがいて、この人が運転者らしいとわかった。血も見えず痛がる姿勢もしてなかったので、けがはないなと思った。 横倒しの車の処置だが、カズヒトに 「大人が2・3人で、軽自動車なら起こせるだろう」と言うと、 「う~ん。どうだろ。やってみないとわかんないけどな」と冷静な判断だ。 坂の上の方から、トラクターが来た。おじいさんが近くの知人を呼んだらしい。 おじいさんは、トラクタードライバーが持ってきてくれたチェーンを、乱暴に自分の車に引っかけると、後ろに引くように大声で合図をしている。 オレ達も、せっかく寒い雪道に降りてきたのだからと、車に手をかけて起こす手伝いをした。 「せーの」と掛け声だけは、トラクターのエンジン音に負けないようにした。 車はすぐにオレ達の手を離れて、パフンと起き上った。 (つづく) 第16話全編 は[楽天グログ・・FREE PAGE]に掲載します
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最終更新日
2013.10.22 20:49:03
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