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昭和四十七年六月ひやかしでファッションモデルの試験を受けたら一次試験に合格して、
「そのうち落ちるだろう」 と思っていたら、何と最終まで残って最後の十人になった。 試験官が、 「今から三ヶ月みっちりモデルになるための講習をする」 と言う。私は面接室に呼ばれ面談が始まった。 「君はどうやってこの青山まで通うのだ」 試験官が私の顔を見てこう言った。 「東上線と山手線で通います」 と私が言うと、 「講習のうちはいいが、芸能界に入ったら渋谷近辺に住んでくれ」 と試験官は強く私に言う。 私は逆らって心証を悪くしてもどうしようもないと思い、 「はい」 と短く答えた。 腹の底では板橋から引っ越すつもりなどさらになかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.19 12:24:18
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