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2012.05.19
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 ぼくは決して渋谷が嫌いではない。それどころかもともと、
「大学に入ったら東上線ではなく、東横線に住もう」
 こう思っていたのだ。
モデル試験に合格して渋谷、青山界隈に親しむにつれ、
「ここで暮らしたらもう一生ここでしか暮らせなくなる」
 こんな考えが頭を支配するようになっていた。
「渋谷もいいが、新宿もいい。池袋もあるし上野もある。渋谷だけの世界に閉じこもるのではなく東京全体を住処としよう。いや関東全域だ」
 モデル学校の三ヶ月はあっという間に過ぎてしまった。
いよいよ契約段階になって、マネージャーが、
「アパートは決まったか」
 と聞いてきた。
私は大学の同級生に頼んで共同生活をしている事にしてもらった。
「学校を止める覚悟はできているか」
 マネージャーがまたするどく聞いてくる。
私はとっさにハイと返事をしたが、
「困った事になった」
 と自分のした返事に対し困惑するのだった。
悩みは尽きない。





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最終更新日  2012.05.20 04:16:27
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