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カテゴリ:テラフォーマーズ
実写版感想
OVAと同じ第1部「バグズ2号編」を題材に実写化。 公開前から試写会を見た評論家に酷評され、封切り後も何かと酷評されたテラフォ実写版。 その感想を・・ ・プロローグ ブレードランナー風の未来都市のシーンから。 小吉と奈々緒が警察らしいのに追われているところから始まる。 ・街に降り立つエアカー。 車には本多が助手と共に乗っており、原作よりも容姿が奇抜。 録画されていた「火星の話」のビデオを見て服について言及しているが、原作ではそんなキャラじゃなかったぞ。 実写版の本多は小栗曰く「フィフス・エレメント」の時のゲイリー・オールドマンを意識したとのことだが、奇抜すぎ。 ・あれ? 囲まれた小吉と奈々緒。小吉は奈々緒を「奈々緒」って呼んでるけど原作では「アキ」か「アキちゃん」と呼んでたのに。 ・そして火星 山下智久扮する仁(原作ではティン)がいきなり英語を話し、小吉と手合いするところってなんか違う。 山田孝之扮する蛭間は原作とは違い普通の容姿。山田は原作のイメージに近づけるため体重を増やそうと思っていたらしい。山田孝之も小栗同様漫画原作の実写作品に結構出演されてるよな。出世作の「闇金ウシジマくん」も漫画が原作だし。 滝堂扮する手塚俊治は爪フェチという設定。元キャラとは設定が違う。 ただ実写版のクルーも「お金のない人達」というのは原作通り。 ・ゴキブリと聞いて 嫌そうな顔をする小吉。ゴキブリと聞いて怯える所は原作・OVAと同じ OVAでもカットされてるが、マリアが小吉をからかう描写とティンがゴキブリを生で食べたことを告白するところが実写でもない。 ・本多は 小吉と奈々緒を言葉巧みに火星調査隊にスカウトした模様。原作では小吉、奈々緒を追いかける形で志願した・・じゃなかったっけ。 ・アース製薬とのコラボ ゴキブリ駆除剤の機械にアース製薬のロゴが・・ ・バグズ1号は 実写版では日本が各国に内緒で火星に送った船という設定に。 ・スーツが ダサい・・「GANTZ」のあのスーツは寸分違わず再現されていたけど、それとは物凄い差。 ・奈々緒が火星行を志願した裏 楽天的な発言をしていた奈々緒だが小吉と二人きりになったので思いを吐露。 OVAで追加されたオリジナルのセリフよりも良くない? ・原人(=G)を発見する仁とマリア この描写は原作通り ・原人に対し 陽気に「ハロー」と声をかける小吉。原人は小吉に目もくれず奈々緒の首の骨をへし折って殺してしまった。ここも原作通り。 この後戦闘薬を打とうとすると虫の息の奈々緒に止められる描写がカット。 ・Gの存在を 異常進化したGの存在を知っていたのは堂島艦長だけだったが、ここは元となったデイヴス艦長と同じ。 ・バグズ手術の事は 原作ではバグズ手術を受けたことを知ってる描写が既に序盤で描かれているのだが(奈々緒がGにやられたので戦闘薬を打って戦おうとする小吉の描写など)実写ではバグズ手術の実態を知らないという設定に。 ベース能力についても原作6巻で前もって聞かされていたという描写もあったが。 立体映像で通信を送る本多は「虫には虫を」と言うが、原作のニュートン司令のセリフ「人間がだめならスパイダーマンを連れて行くしかあるまい」に通じる。 「本当に”活動するため”だけの理由で成功率30%のバグズ手術をしたと思っているのかね?(大意)」とも言う実写版の本多は実写版には登場しないA・G・ニュートンと設定が統合されていることがわかる。 ・リー OVAとは違って発音がぎこちない。OVAでは津田健次郎が演じていて渋かったのに。ただし、なり切り度は高い方。 原作ではイスラエル出身の傭兵だったのに、実写版ではテロリストに改編されている ・実写版のナレーターは 単身バグズ2号の外に出たリーは戦闘薬を打ち、Gと対決。ここでリーの能力の説明が入るが、実写版のナレーターは池田秀一さんが担当(アニメ版は石井康嗣)。 ・リーの戦い 原作ではか○は○波のような構えでGを攻撃した後、動きがなかったが、実写ではよく動いている。 しかし、リーの戦いを見ているクルーの反応は・・・誰か助けに行かないのか? ・一人Gと戦う堂島 原作ではマリアがGに体を真っ二つにされた後に戦っていたが、実写では男性クルー二人がやられてから戦闘開始。Gに一矢報いるシーンではパワーボムでGを倒してなくて単に殴るだけ。プロレス技プリーズ! ・ニュートンが登場しないので 「人間はゴキブリだけを以上に嫌う。なぜだと思うね?」 「私が思うに同族嫌悪という奴だよ」 に相当するセリフを手塚に言わせている。 ・小吉が残ると言いだすと 仁もつられて残る言いだした。原作ではバグズ2号に残ってGと戦おうとする小吉に対してティンが反対してるのだが・・・ ・堂島の過去 上司を殴って退職し、半身不随でクサってたところを本多が巧みに勧誘した模様。 ・Gと戦う堂島の せっかくデイヴス艦長を元にしたキャラなんだし、 「どうした。来いよ。俺はお前たちを倒して何としても地球に帰り、火星は美しかったと・・人類にとって大きな一歩だと伝えなければならない。」 「それが艦長の使命だ。」 「人間を嘗めるなよ!ゴキブリが!!」のセリフがないのが残念 ・後を追って 奈々緒の仇を討ちたいだけと仁に言い当てられてしまう小吉。元となったティンは奈々緒を「秋田さん」と言っていたのだが。 ティンが日本人に設定されたため「俺たちは国も宗教も違う・・けど、きっと大切な部分は共有していると思うんだ」のセリフがカット。結構いいセリフだったのに、全員日本人に設定したツケがでてきた。 ・意外な活躍 元となったキャラはあっさりGに首をもがれて殺されたが、手塚は活躍する時間が長い。 ・本多と通じているG ・小吉のベースは 日本でおなじみの雀蜂。公式本1巻掲載のインタビューによれば小吉のベースは担当に反対されなかったが、第2部主人公・燈のベース・ミノムシはギリギリまで担当に反対されたのだとか。 小吉は空手の有段者という設定なのだが、画面が暗くて動きがわからない。 ・美奈は 変身すると髪型もが変化。 ・人語を話すGは 堂島を射殺。この後正体を現すが、正体は序盤に行方不明になった森木だった。 正体を現した時の森木は口調が元になったウッドに近い? ・原作では 蛭間は戦闘薬を打たなくてもネムリユスリカの能力(真空状態などの極限状態に置かれても死なない)を使えたが、実写では変身している。 2部ではそのカラクリは筋組織・神経組織に至るまで虫の遺伝子と共存しているためだったと明らかになっている。(しかもその手術を考案したのは本多だった) ・本多の目的は Gの卵を持ち帰ろうとしていた。Gの卵ってエイリアンエッグの劣化版だよな。 ・火星のピラミッドは 実写では特に言及されておらず、「ラハブ」の単語も登場しない。 ・バグズ手術は ニュートンが登場しないため本多一人で開発したことになっている。 Gの卵を手に入れようとしたのは進化のための研究を行い、バグズ手術被験者のデータを併せて最強の昆虫人間を作ろうと企んでいた。(原作だと本多はバグズ2号計画の裏でそれと似たことを成功させたのだが、これが第2部の重要なファクターとなる) 核兵器に代わる力を手に入れるという意味のセリフも吐いているが、それに相当するセリフは原作だと蛭間に言わせている。 ・森木は 蛭間になぜ本多の誘いに乗ったのかと聞かれるが、元となったウッドが日本人にされたため、12に女性器切除手術を受けたとかのセリフはない。自分の力で世界を支配してやる!というのは残ってるが。 ・帰ろうとするところで Gの卵が割れ、2匹の突然変異種が登場。森木は2匹に毒を打ち込むが、新種には効かず逆に殺されてしまった。 禿G2匹は鳴き声で仲間を呼ぶが、巨人と同じことをするなぁ ・Gの鳴き声で Gがバグズ2号に群がりだした。制御を失ったバグズ2号は火星の地表に衝突。 ・美奈が火星に行くことになった理由 彼氏のせいで火星送りにされたとのこと。元となった明明はスパイとしてバグズ手術のデータを盗もうとしたものの捕まって国家間取引でバグズ手術を受けたという設定だったのだが。 ・禿Gは かなりの強敵で人間さながらの動きをし、美奈を倒してしまった。 自分より強い奴がいるだなんて許せねえ!とばかりに戦闘薬を1本打ち禿Gに挑む仁。さらに過剰投与で姿がバッタに近づいてる。 ・力尽きた仁 幼馴染が死んだため、火星に帰ったら何もないと告白する仁。原作では最後に出てきてるシーンを途中に持ってきては感動半減です。 ・禿Gと戦う小吉 毒針を折られても懸命に戦う小吉。そんな彼の前に現れたのは変異した奈々緒の幻影だった。 ・奈々緒は 蛾の鱗粉を使った粉塵爆発で小吉を助けるが、ここはオリジナル。 原作では蛭間も小吉・ティンと共にG共と戦っているのだが。 ・最後の力で 小吉を助けた仁は限界を迎え、体が変異した状態で力尽きます。 ・禿Gを 変身なしで殴りつけたあと、何故か見逃してる。原作では全力の正拳で禿Gをぶっ飛ばしていたのに。(それでも禿Gはやられていないのだが) ・火星を脱出しようとする小吉 待っていたのは小吉に銃を向けてる蛭間。蛭間は小吉ではなく彼の背後のいたGを銃で倒し助けます。 ・地球では 蛭間の仕業でバグズ2号計画は白日の下に晒された。本多は助手を始末して雲隠れし・・ ・火星を脱出した小吉と蛭間は 蛭間は地球に帰ったらのし上がってやると宣言。原作2部で総理大臣になったことを踏まえて? 小吉はアキちゃんとみんなの墓を作ると宣言し、さらにまた火星に行くとも言うんだけど、続編を意識していたのか?(結局は「爆死」したため、続編の話はお流れになったみたい) アニメ版の爆死(・・・とほざいてる割に自分、アニメ版は視聴した)、登場人物をすべて日本人にしたことで「爆死」は免れなかった実写版テラフォ。 アニメ版同様原作既読の上での視聴だが、ことごとく改編され、見ていて虫唾が走る。「役者だけは無駄に豪華」(これはアニメ版にも言えてるが)でアクションは特撮ヒーローものに毛が生えた程度。実写版と同じ「バグズ2号編」を題材にしているOVAの方がマシだと思う。尺の関係で端折られてた所が存在したり、冒頭がアネックス編ありきな構成になっているといった改変はあれどほぼ原作通りに話が進んでるし。 変身後のビジュアルもB級特撮並みの造形。原作とあまり変えなかったらよかったと思う。 関連記事 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 25, 2016 08:46:40 PM
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