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カテゴリ:音楽
以前にこのブログで独ハルモニア・ムンディスから出ているスキップ・センペ エディション(CD)について紹介しましたが、実はこのCDと同時にHMVから購入したのが、やはり同レベールから出た表題の廉価版ボックス(CD8枚組)で、このところ折に触れて「スペイン風バロック」の響きを楽しんでいます。
収録されているのは主にアントニオ・デ・リテレス(1673-1747)やホセ・デ・トーレス(ca.1670-1738)といった17世紀末〜18世紀のスペイン人音楽家によるオペラ、サルスエラ、あるいはカンタータといった声楽作品です。リテレスやトーレスといえば、スペイン宮廷でドメニコ・スカルラッティの同僚だった作曲家で、これらスカルラッティも耳にしたであろう音楽がどのようなものだったかを知る上でも貴重な録音です。 演奏している「アル・アイレ・エスパニョール(英訳するとin the Spanish way)」は、サラゴサ出身のチェンバリスト、エドァルド・ロペス・バンソEduardo López Banzoによって1988年に結成された古楽器アンサンブル。HMVの紹介記事を引用すると、 バンソ率いるアル・アイレ・エスパニョールの演奏は、しっとり透明な音から濃厚な音色まで自在に操り、リズムもときに激しくフラメンコのような迫力も帯びるというワイドレンジかつ刺激的なもの。とのこと。バンソ自身は1961年生まれ、クリストフ・ルセと同じ歳ですが、ハープシコードをレオンハルトに師事したそうです。 どの録音も面白いのですが、例えばCD4枚目に収められている「四大元素Los Elementos」はリテレスのオペラの中でも比較的よく知られているもの。CDの副題にもOpera Armonica al Estilo Ytaliano(イタリア様式による)とあるように、一聴して父スカルラッティに代表されるナポリ派のオペラに似た雰囲気ですが、亭主にはむしろイタリア・オペラより洗練されたていて、なおかつ所々に入るカスタネットの響きが興を添えるなど(演奏によるのかもしれませんが)、なかなかイイ感じです。 その他、よりスペイン風を楽しめるサルスエラ、ヴィリャンシーコといった作品も収録されており、大変充実した内容であるにもかかわらず3000円程度で手にはいる、というとてもお買い得なCDボックスです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年07月26日 20時32分39秒
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